さて、みなさん、左の人形が何か知ってますか? そうです。これがエルツ山地で作られているけむ出し人形 (Raeucermann) ですね。 クリスマスとインセンス(お香)の歴史を少し説明しましょう。

インセンス(お香)はもともと特別な日に教会で焚かれるものでした。 それはキリストが降誕したとき、幼子イエスのもとを訪れた3人の博士の貢ぎ物のうちの2つがお香の原料であったことに関係しているのです。

木工が盛んなエルツ山地では、木炭、木くず、ジャガイモのでんぷんを混ぜて作ったインセンスを、香りの付いた水につけ、燃やしたときによい香りがするように工夫をし、クリスマスシーズンに楽しんだそうです。

けむ出し人形は1800年代エルツ山地のフェルディナンド・フロー氏と、 彼の甥であるゴットヘルフ・ハウスタイン氏によって作り出されました。 1800年代の初期はパイプでたばこを吸うことが一つのトレンドでした が、それはトルコ人にしか許されていなかったのです。 しかし、1850年代になると時代も変わり、男性は野外やパブでの喫煙が 許されるようになったのです。

ある夜、パブでフロー氏とハウスタイン氏がお酒を飲み、たばこを吸いなが ら語り合っていたときのことです。 二人は周りのお客のパイプから煙がゆっくりと立ち上る様子を見ていてこう思いました。 「親しい友人と暖かく心地の良い部屋に座り、パイプから煙が立ち上がるのを見るのはなんて素晴らしい事だ!」

この様子を何とか、木の人形で出来ないものか。そうして、最初のけむ出し人形(Raeuchermann) が生まれたのです。 それはパイプで吸うトルコ人の人形だったそうです。 それが今は、種類も増え、サンタクロースの人形、スノーマン、おじいさん、おばあさんといろいろあるわけです。

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デッカイけむ出し人形の行進。
クリスマスツリーに飾る可愛い小物達
ハンブルク名物:エルベの小石。(石の形をしたキャンデイ)
シュピタール通りにある
全長15mのクリスマスツリー