ドイツで最も有名なワイン生産地帯のひとつであるモーゼル・ザール・ルーヴァアー。
モーゼル川とその支流であるザール川およびルーヴァー川の流域に広がる。本流のモーゼルは、コブレンツでライン川に合流している。ここから観光の街コッヘム、ベルンカステル、ドイツ最古の街といわれるトリアーといった名勝地が続く。このベルンカステル・クース近郊に1680年創業の銘醸ワイナリー「リヒタースホーフ」がある。

このぶどう園はナポレオンに関連した歴史をもつ。ライプツィヒ郊外の戦いで敗れたナポレオンは、1813年の秋、 パリへの敗走の途中にモーゼル河畔で野営をたてたことから話しは進み、「リヒタースホーフ」所有者の先祖が村いちばんの最高級ブドウ園「エリーゼンベルク」を村議会から与えられたという栄誉ある逸話だ。

この地域のブドウの作付面積は12000ヘクタールほどでラインヘッセン、プファルツ、バーデンに次ぎ第4位である。板岩質の急斜面はリースリング種の栽培に適していてドイツで一番有名な高級品種だ。フルーテイで酸味のある風味で糖度が高くても酸の強みでクドイ味にならない品種で熟成は遅く、非常に寿命が長いので長期熟成にも耐えられる。そのブドウの粒は小さめで香りが高い。

リヒタースホーフ醸造所は、エリゼンベルク(Elisenberg)、カールスベルク(Carlsberg)、ミュールベルク(Muehlberg)の3つの畑で計7ヘクタールの規模を維持している。

醸造所のメイン製品は、12代オーナーの祖父の名「アルトウーア・リヒター」のブランド名で展開しており、QbA(上級ワイン)クラスのリースリングワインで、辛口、半辛口、甘口が揃っている。ほかに辛口のシュペートレーゼ、甘口のアウスレーゼも生産しており、年間総生産本数は約7万本である。

さてこの銘醸ワイナリー「リヒタースホーフ」のオーナーであるミヒャエル・リヒター氏がブドウ園を一般に開放して区画を賃貸するという「ブドウ園の個人オーナー制度」を始めた。

年間契約で10平米から200平米までのブドウ園が借りれる。ぶどう畑の手入れ、収穫、そしてワイン醸造から瓶詰めまでの全ての作業をリヒタースホーフ醸造所のスタッフが担当するがオーナーには賃借面積に応じた割当て分のリースリング・ワインを受け取ることができる。

例えば、10平米の場合、贈られるワインは10本。そのラベルにはオーナーの名前が入り、ワインは辛口、半辛口、甘口など好みのタイプを選ぶことができる。また
オーナーには特典として、10月中〜下旬の土曜日に行われるブドウの摘み取り体験に参加することができる。

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個人賃貸料: 10平米(年間贈与ワイン10本、送料別途/オーナー名入りラベル/体験収穫) 1年契約 23,300円(延長可)、賃貸畑は10平米単位で追加することが可能。

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詳細はシテイマガジン・ハンブルクのワイン係まで連絡下さい。wein@mmm-hamburg.de

モーゼル河畔のブドウ畑
個人ブドウ園オーナーが摘取り作業に専念している。自分で摘取ったワインを飲む至福の時を待つ!
陽気なケラーマイスター
伝統的な木樽で熟成させている
個人オーナーにはリースリングワインが名前入りのラベルで贈呈される
自分で摘取った美味しいワインに手作り料理を添える、これワイン好きの本望なり。