アルスター湖は、13世紀初頭にエルベ川の支流であるアルスター川を水車用の池としてせき止めて作られた人工湖である。夏季にはヨットやボート、カヌーなどが楽しめ、また、冬季の氷結時(最近は氷結しなくなったが........)にはアイススケートが楽しめるハンブルクっ子達の憩いの場である。

アルスター湖の遊覧船は湖を一周するスタンダードコースの他、「水路めぐり」や「運河めぐり」、シーズン時なら20時に出航するロマンチックな夜を満喫するのに最適なDaemmertroen「アルスターの夕暮れ」など数種類ある。

今回はKanal-Fahrten「運河めぐり」を紹介しよう。遊覧船は内アルスター湖から外アルスター湖へ抜け、高級住宅街の裏庭や公園、クライネガルテン地区を流れる運河を約2時間走る。(2時間なんてアッと言う間に過ぎてしまう!)

ところで皆さんはハンブルクにある橋の数が「水の都ヴェネツィア」よりも多いという事を御存じかな?誰が数えたかは知らないが、何とその数2428!(いくつ多いかは不明).......そう言えばハンブルク市庁舎の部屋数もバッキンガム宮殿より6部屋多いと、あるハンブルクっ子が自慢していたのを思い出した。(けっこう数にこだわるハンブルクっ子....という感じかな?)

さて、そろそろスタートしよう。
まず、Jungfernstiegの遊覧船発着場でKanal-Fahrt「運河めぐり」の看板を掲げている遊覧船を探す。(オッと、その前に切符売場でキップを購入しよう!大人9ユーロ50セント、16才までの子供は4ユーロ50セント)
時間が来たら出発進行!
遊覧船は、内アルスター湖内をゆっくりと進んで行く。船内では船長兼案内役のキャプテンが、アルスター湖周辺の建物の歴史や気になる地価などについてかなり詳しく説明してくれる。(基本的にドイツ語のみ)
外アルスター湖に出ると、遊覧船の中から見る外アルスター湖が意外と大きいことに気がつくだろう。しばらく走って行くと、ヨットスクールや100年以上の歴史を誇るカヌークラブ・アレマニアが見えてくる。運河に入る手前の外アルスター湖畔には、立派な建物が立ち並んでいて、とってもゴージャスな雰囲気である。(地図2)

右手に見えるハンブルク大学ボート部・クラブハウスを後に、いよいよ運河巡りが始まる。いろんな形の橋が興味深い。狭い運河内では、貸しボートやカヌーを楽しむ人々を多く見かけることだろう。ハンブルクっ子達に人気の貸しボート屋さんはOsterbekkanalにあるドルンハイムだ。足漕ぎボートが1時間7ユーロ、白鳥ボート(けっこう迫力あり!)が1時間10ユーロ。また、ここではヴェネツィア人もビックリのゴンドラも置いている。(地図3)
Bootsverleih-Dornheim
住所:Kaemmerer Ufar 25 (Winterhude)
Tel.: 040-2794184
営業時間:月〜金 9〜 22時、
土〜 日9:30〜 23時(4月〜10月)

ドルンハイムの目印である船のブツギリを後にして、さらに進んでみよう。オスターベック・カナールからバルムベッカーシュテイッヒ・カナールまでは少し退屈な風景が続くが、シュタットパーク・ゼエーに入ると大きく素晴しい空間が目に飛び込んで来る。(地図4)
右側にはオープンエアーの広大なプールがあり、左側にはサッカー場がいくつも入りそうな広大な芝生が永遠と続いている。そして、そのズッーと先の方に豆粒みたいに見える建物がプラネタリウムである。
このシュタットパーク・ゼエーではオープンエアーの映画が、たま〜に上映される。夕暮れ時、湖に浮かぶボートに乗っての映画観賞も格別である。

シュタットパーク・ゼエーを後にして、遊覧船はゴールドベック・カナールに進んでいく。すると、クライネガルテン地区が見えてくる。名前の通り、この地区には小さな箱庭がたくさんあり、週末になると、庭の所有者が庭の手入れをしたりバーベキューパーティーを楽しむ様子が見かけられる。このように町中に小さな庭を借りて、好きな時に気軽に庭いじりやBBQを楽しむというのは、なかなか良いアイディアではないか。(地図5)

さて、ゴールドベック・カナールの終点を右に進むと袋小路になっているロンデール・タイヒが現れる。この運河のハイライトだ。この空間は道路側からは決して見えない。この地区の住人と、遊覧船やボート利用者のみがロンデール・タイヒを眺めることができるのだ。何とも不思議な空間である。ここで船がゆっくり回転するなか、キャプテンのユルゲンさんが静かに説明した。「この地区の住宅はすべて完売していて、賃貸物件も皆無に等しい」との事だった。(地図6)
まあ、ここは環境も良く、建物も綺麗だし街にも近くて申し分ないが......ハンブルク元市長とか大企業の社長、会長さん御用達というイメージでした。(しかし、ここに借りてきたボートを浮かべて一人読書に耽るとなんとなくリッチな気持ちにはなります。是非お試しあれ!)

運河巡りを終えた遊覧船はロンデール・タイヒを後にして、外アルスター湖から内アルスター湖を通って、ゆっくりとユングフェルンシュテイークの発着所に戻ります。これで、約2時間の優雅な遊覧船の旅はおしまいです。

皆さんも是非、天気の良い日に運河めぐりにトライしてみて下さい。きっと満足出来ますヨ!

Alster-Touristik GmbH

料金:大人9ユーロ50セント、子供(16才以下)4ユーロ50セント

運行スケジュール:
●4月28日〜9月30日
赤線コース:9時45分・12時45分・15時45分

青線コース:11時45分・14時45分・17時45分


●3月30日〜4月27日/10月1日〜28日
運行時間:9時45分・12時45分・15時45分

ユングフェルンシュテークの遊覧船発着場
運河めぐりは赤線と青線の2コースあるが今回は赤線コースを紹介している
内アルスター湖から出発
外アルスターにあるヨットスクール
運河に入る前のアルスター湖畔の建物
面白い形の橋がたくさんある
カヌーでの運河めぐりも楽しい!
貸しボート屋さんのドルンハイム(地図3)
運河をゆっくり走る遊覧船
船長兼案内役のキャプテン・
ユルゲンさん
ロンデール・タイヒにある瀟洒な住宅群
緑も豊富でゆったりした時間が流れていく
のんびり日光浴を満喫しよう
運河めぐりも終わりユングフェルンシュテイーク発着場へ
カヌーでも出勤可能?