ドイツにおけるオペラの初公演は17世紀、ハンブルクで行われた。 1597年にイタリアの宮廷で生まれたオペラだが、劇場となると1637年にヴェネツイアに最初のオペラハウスが建てられたのを皮切りに、ロンドン、パリ、ローマと続き、ついに1678年にはハンブルクにも歌劇場が開幕した。 ● リヒャルト・ワーグナーの曾孫で、ヴィーラントの娘、ニーケ・ワーグナーがバイロイト音楽祭総監督に就任以来、最近ドイツオペラが密かな人気を集めている。バイエルンやドレスデン国立歌劇場またベルリン・ドイツ・オペラなど日本でも有名な歴史ある歌劇場がドイツには沢山ある。 ハンブルク国立歌劇場もその1つであるが、ドイツに於けるオペラの初公演が1678年1月2日にヨハン・タイレの台本によってここハンブルクのゲンゼマルクトで行われた事は意外と知られていない。(ポスター参照)度重なる改築を経て今現在に至っているハンブルク国立歌劇場ではクルト・ヴァイルのマハゴニイやノイマイヤー振付けのギゼレなどの公演を控えているので今年もHamburgische Staatsoperからは目が離せない。 ここで少しオペラの話をしてみよう。 【オペラとは?】 オペラとは、ご存じのように、オーケストラをバックにせりふを歌い手が歌う舞台劇のことで、イタリアが発祥の地。一般市民に向けた一般性の高い芸術として生まれた。 【オペラの意味は?】 オペラ(opera)とは、オペラ・イン・ムジカ(opera in musica)「音楽の作品」という熟語を省略した言葉で、語源はラテン語。言葉の最初の使用は、17世紀の中頃、イギリスでといわれている。ドイツ語では、オーパー(oper)。イタリアでは、オペラという語は、普通名詞の「作品」という意味でも使われるため、オペ ラ・リリカ(opera lirica)という使われ方が一般的だ。 【オペラの上手な楽しみ方】 オペラの楽しみ方には劇場で観劇する場合と、CD、ビデオ、LDなどを通じて家庭のAV器機をつかって楽しむ場合とあるが、いずれしてもオペラを楽しむのに特別な教養や知識などは必要ない。もともと、オペラというものは生身の人間が発する声の魅力とその可能性、そこに張りつめる緊張感、そして、そこから生まれる霊的な世界を直接肌で感じ取りながら楽しむ芸術と言える。もちろん事前に物語の内容や解説など読んでおくとより理解が深まるが、難しく考えず、感じたままに、自分なりの聴き方で楽しめばいい。それがオペラを上手に楽しむ上で、いちばん大切な事だ。さあ、秋の夜長にオペラ三昧はいかがかな? ●ハンブルク国立歌劇場 | ||||||||||||||||
オペラ公演のポスター『創造され、堕落し、蘇った人間、ジンゲンシュピーゲル上演』1678年 | ||||||||||||||||
ルチアーノ・パバロッテイとミレナ・フレニが演じた『L'Elisir d'Amore』1977年 | ||||||||||||||||
ハンブルク国立歌劇場 | ||||||||||||||||